LUCIE

Writing and Directioning

ARCHIVES

  • 目黒学園カルチャースクール 受講者募集 世界一周、五大陸の音楽「聴き方上手」

    音楽の「聴き方」を楽しく身につける講座です。
    映画や美術に鑑賞法が、骨董の目利き、日本酒の利き酒があるように、音楽にも、楽しさが倍増する「聴き方」がいろいろあります。

    クラシック、ジャズ、エスニック…、世界の名曲を、テーマを決めて聴いたり、アレンジの妙を味わったり、同一曲を異なる楽器で聴き比べたり、はたまたDVDで音楽家の人生をたどったり、リハーサルから本番までを観るなど「映像で聴く」ノウハウも習得していきます。

    「曲と名前が一致しない」「興味はあるけれど、どう聴いたらいいかわからない」「なんだか難しそう」といった悩みは「聴き方」次第でなくなります。知らず知らずのうちに理解が深まって、聴く楽しみが広がっていくのを感じていただけるでしょう。

    ※毎回、読み切りスタイルですので、いつから始めても楽しんでいただけます!!
    おひとりでもお友だちやグループでも、気軽にお越しください。体験や見学も歓迎~!

    ----------------------------------------------
    目黒学園カルチャースクール講座
    世界一周、五大陸の音楽「聴き方上手」
    ----------------------------------------------

    ■日時:第2・第4水曜日 12時45分~14時15分  ※2013年は1月9日から

    ■会場:目黒学園カルチャースクール(JR目黒駅ビル内、アトレ目黒1の5階)

    ■WEB:http://www.megurogakuen.co.jp/course/course07.html

    ■TEL:03-3422-7533

    ■料金:講座料2782円+教材費210円(回)

    × CLOSE
  • ミュージキャットのクラシック・ゼミナール 第6回「マーラー」

    グスタフ・マーラー(1860~1911)は、ボヘミア生まれ(当時オーストリア領)の作曲家。2010年が生誕150年、2011年が没後100年と、2年連続のメモリアル・イヤーの影響で、人気が再燃してるようですな。

    中でも人気が高いのは交響曲。人間の苦悩や生と死、魂の不滅などを表現し続けた彼の交響曲には"目で聴く楽しみ"も潜んでて面白い。

    オーケストラでおなじみの打楽器は、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、シンバル、グロッケンシュピール(鉄琴)、シロフォン(木琴)、トライアングル…てとこですか。

    けどマーラーが「大地の歌」を含め完成させた10の交響曲には、これらはもとよりタムタム(ゴング)や鈴をはじめ、珍しい打楽器が絶妙の組み合わせで使われてるんです。
    たとえば、花や森の動物の声を聞き、天使が語るのを聞く「第3番」にはシンバル付きの大太鼓や軍隊用の小太鼓、チューブラ・ベルといった具合。

    オーケストラでは、殆ど使うことのないような楽器、いや小道具(?)も積極使用してはります。英雄の悲劇を象徴的に表した「第6番」やロマンチックで幻想的な「第7番」にはムチ、低音の鐘、牧牛につける鐘を模したカウベルなど、斬新な選択にビックリですわ!
    「第6番」の終楽章では、木箱の上面に置いた一枚板に大きな木槌を振り下ろした音で、倒れる英雄を表してるくらいやからね。

    もはや凝ってるとか、変わってるとかの次元やないわ…。

    はたして、演奏する楽団員は理解し、面白がったのか?

    残念ながら、作曲された当時は、これら前代未聞のチョイスに楽団員をはじめ周囲からの風当たりはいたって強く、揶揄する風刺漫画が出まわったほど。マーラーは気難しくて敵も多いタイプだったそうやから、さもありなん。けど、にもかかわらず、くじけないのが彼のスゴイところ。

    やるからにはとことんやらなきゃ気がすまないから、打楽器に限らず、音の遠近感を出すのに舞台裏やステージの高所などで演奏させるなど、演奏法もこだわりまくる、まさに楽器の革命的使用者だったんです。

    こういったことはCDを聴くだけでは解らんもの。家ではDVDで楽しむとええね。彼の全交響曲演奏を映像に残してるレナード・バーンスタイン盤なんかお勧めやなぁ。
    なににしても、音楽は耳だけで聴くものにあらず。"目と耳"いや"五感"を働かせて、楽しんで下さいや~。

    × CLOSE
  • ミュージキャットのクラシック・ゼミナール 第5回「映画とクラシックの巻」

    最近"なぞ解き"が人気やね。
    けど、このまえ近所のカフェで、会社勤めのお父さんたちが「営業会議とかけてクラシックと解く。その心は?長うて眠い~」て言うから、吾輩、思わず反撃してしもた。

    「それはどうやろ。長うても映画は見てはる、実は映画はクラシックの宝庫、楽しみ方いっぱいあるんよ」って。
    まず、心に残ったシーンに使われていた曲は何か、曲のどの部分やったか、後日CDや演奏会で聴きましょうや。同じ曲を使った別の映画を見るのもいいね。

    例えばベートーヴェンの「交響曲第7番」。
    踊り出したくなるリズムが全編にちりばめられてますが、「愛と哀しみのボレロ」の天才ダンサー、ジョルジュ・ドンのダイナミックな舞踏シーンと、「のだめカンタービレ」のオーケストラシーンとでは、演奏の違いも分かりやすいかと。

    使用曲の背景を探るのも面白いですな。吾輩だと「ダイ・ハード2」の交響詩「フィンランディア」が思い出深い。アクション映画にシベリウス、しかもフィンランドの「第2国歌」といわれるほどの曲とはこれいかに、でした。

    この曲は、シベリウスが1899年に愛国歴史劇につけた音楽を翌年改作したもの。当時フィンランドでは、19世紀初頭から続く帝政ロシア支配に対する独立運動が高まってまして、圧政と闘って勝利をという思いを表したんやね。

    これが、クリスマス・イヴにワシントンのダレス空港へ妻を迎えに行ったマックレーン刑事(ブルース・ウィルス)がテロ集団と闘い、危機一髪で妻や空港を救うラストを盛り上げる。

    実はこの映画のレニー・ハーリン監督は、当時「エルム街の悪夢4」などで注目され始めた新鋭でフィンランド人。マックレーンの勝利シーンを意味深い母国の「第2国歌」で飾ると同時に、第1作「ダイ・ハード」のクライマックスのベートーヴェン「第九」に、見事に意趣返し。大作を世界に届けて自身も凱旋…とは! カッコよすぎやなあ~。

    吾輩は、じっと話を聞き入るお父さんたちに言いました。
    「どうですか、楽しいですやろ? 整いました~。カフェのお父さんとかけて映画音楽と解く。その心は? "なぞ解き"がやめられません!?」

    × CLOSE
  • ミュージキャットのクラシック・ゼミナール 第4回「ツィクルスの巻」

    こんにちは、ミュージキャットでございます。今回は、ファンレターの質問にお答えいたしますぞ。

    ペンネーム"お困りネコ"さんから、「MUSICATさん、クラシックには横文字の言葉が多いですね。先日、中1の孫に『マーラー交響曲ツィクルスて何?』と聞かれました。図書館に貼ってたポスターに書いてたらしい。けど私、うまいこと説明できんでね、孫に『もうええわ』言われて、なんや悔しゅうて…」

    それはご愁傷さま。早速、名誉挽回とまいりましょう!

    「ツィクルス/チクルス」は、日頃なじみのないドイツ語(Zyklus)やから、分かりにくいのかもしれませんが、ある作曲家の複数の作品を何回か連続で取り上げる音楽会や催しのことですわ。要は「××シリーズ」という意味です。何か特定の目的やテーマをもって行われたり、何かの記念に行われたりしてますなあ。お困りネコさんのお孫さんは、マーラーの交響曲を取り上げた一連の演奏会か、それを録音したCDのポスターなんかを見たんやろね。

    例えば2010年は、マーラー(1860~1911)生誕150年やシューマン(1810-56)生誕200年を記念したツィクルスが各地で行われましたが、いずみホールでは、シューマンのツィクルスが6回シリーズで開かれましてね…。シューマンは、時期によってピアノ曲を多く作ったり、歌を多く作ったりと、作品歴がユニークですが、それがよく分かる構成でした。

    クララは"天才少女ピアニスト"と呼ばれ人気者。9歳年下ながら彼より収入も多かったし、頑固なステージパパの父は徹底的に妨害を続け、裁判まで起こしたほどです。奇蹟的に法的許可が下りて、シューマンがクララと結婚に至ったのが30歳。1840年のことですが、この年は「ミルテの花」「リーダークライス」「詩人の恋」など、歌曲が多い。

    このように作曲家の人生と作品をリンクさせながら鑑賞するのも、理解が深まって楽しいもんです。交響曲全4曲の二夜連続鑑賞もありました。あのツィクルスは贅沢な内容やったなあ。

    "お困りネコ"さん、ツィクルスは、その作曲家に対する理解をグッと深められるいい機会。百聞は一見にしかず、一度、お孫さんと仲良く聴きに行かれたらどうでしょうか。

    それにしても、次第にウツ病の症状が激しくなって、46歳で精神病院で亡くなるシューマンが、裁判乗り越えて結婚してたとは、どっからそんなエネルギー湧いてきたんやろ?いやはや、恐るべし"熱愛パワー"や。

    × CLOSE
  • ミュージキャットのクラシック・ゼミナール 第3回「ランチタイムコンサートの巻」

    吾輩が『音楽ホールに棲んでよかったなあ~』と思うのは、やっぱ真夏と真冬ですかなあ。"夏毛"にかわってもノビそうなくらい暑~い日も、逆に"冬毛"の隙間に北風がぴゅう~と忍び込む寒ぅ~い日も、ホールではエアコンが効いてるからね。朝からリハーサルがある日は、ほんまに助かります。ああ、ホールは極楽や~。

    最近は、平日の昼間にレクチャーつきの演奏会やパイプオルガン演奏、はたまた舞台裏見学会など、趣向を凝らした企画を行うホールが増えてますが、いずみホールの「ランチタイム・コンサート」は、その先駆け。

    1992年9月に始まって以来、たちまち主婦やシルバー層を中心に人気を呼んで、毎回賑わってます。当初「11時半開演なんて、誰も来てくれないのでは?」という意見もあったそうやけど、企画者で音楽評論家の日下部吉彦さんは、同じ時間帯にカルチャーセンターで講座している経験から「夫や子供を送り出して、お友達と一緒に来るのにちょうどいい時間」と仰ったんだとか。

    この予測はドンピシャ。日下部さんと演奏者が曲や楽器などのお話をしてくれるので「分かりやすくて勉強になる」とか、3か月毎といわず「回数をふやしてほしい」などと、開始早々評判になりました。

    それに、終演後の食事もお楽しみのようです。ビジネスマンのランチが終わった1時すぎからゆっくり食べられるとあって「毎回来たい」と、ホールのフレンズ会員になる人も。演奏会をはじめ、ホテルニューオータニ、TWIN21などのレストランで割引やサービスを受けられる嬉しい特典つきですもんね。

    今や、こういった独自の提携サービスを用意して、お客さんにお得感満載で音楽を愉しんで頂こうと、いずこのホールも工夫を凝らしています。また、美術館や博物館などのアート空間、はたまた有名建築や庭園、駅や廃校などを利用したユニークなコンサート企画もあちこちで随時催されていますから、お住まいや勤務先の近隣の心当たりをちょっと調べてみたら、楽しみがきっと増えますぞ~。

    × CLOSE