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わたしの深イイ音楽話 -Hakuju Hall支配人 原 浩之さん-

1971年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。都銀勤務後、98年に白寿生科学研究所に入社。現在、営業本部長とホールの支配人を兼務。ヴァイオリンを30年以上愛奏。クラシック音楽に造詣が深く、大学のOBを中心に結成された「アマデウス・ソサイエティー管弦楽団」の団長も務めている

Vivace, Sep. 2012

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ヴァイオリンが紡いできた、人と音楽の縁

仲間と感じ合える、演奏の楽しみ

最近は、社会人になってからも楽器や歌など、好きな音楽を続ける人が珍しくなくなってきたが、原浩之さんもその一人。ヴァイオリンで大曲を弾きこなし、アマチュアオーケストラ(以下アマオケ)の団長も務めている。

ヴァイオリンを始めたのは、5歳頃、 「母の友人がビオラの先生で、何か楽器をと勧められたんです。レッスンが厳しくて中断した時期もありましたが、ヴァイオリン教室に小学校6年生まで通いました。」

スポーツも好きで、少年ラグビーも併行していたというから驚きだ。中学校では野球に夢中になり、しばらくヴァイオリンそっちのけだったが、 「高校に入ると、中学で吹奏楽など音楽の部活をしていた子が、クラスに10人ほどいて。僕がヴァイオリン弾けるのを知ってたから、一緒にオーケストラやろうって…」

誘われるままヴァイオリンを再開。でも練習するうち、仲間との演奏が楽しくなってきた。初めての定期演奏会の演目はワーグナーの「リエンツイ」序曲、チャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」、シベリウスの交響曲第2番。クラシック音楽の奥深さも徐々に感じ始め、「中でもシベリウスの第2番は、弾き込むにつれて、幻想っぽい曲調にどんどん惹かれて、本番を終えたときはとても感動的でした。」

以来、オーケストラ活動は日常となる。大 学の楽団は日本最古の学生アマオケで、 「在学中にちょうど創部90周年を迎え、井上道義さんの指揮で、東京文化会館でマーラーの交響曲第2番〈復活〉を演奏したのも忘れられません。」

オーケストラは、戻ってこれる場所

大学のOBを中心とした「アマデウス・ソサイエティー管弦楽団」の団長を務めて、かれこれ10年あまり。働きながら、大人の団体をまとめていくのは大変だ。やめようかと思ったことも。だが、踏みとどまった。

「転勤や結婚、出産などで中断する人の多くは、区切りがついたらまた活動したがっています。実際に復帰してる人もいますしね、いつの間にか“戻ってこれる場所”になってる(笑)。」

メンバーにとってオケは、いつでも温かく迎えてくれる“心のふるさと”なのだ。

一方、支配人を務める白寿ホールは、来秋10周年を迎える。

白寿生科学研究所は、“ゆとりある精神”“適度な運動”“バランスのとれた食事”を三位一体とする健康哲学を、健康づくりの基本としているが、「当社主力商品の電位治療器・ヘルストロンを使って下さるお客様とのご縁が続きますように、そして音楽を通じてゆとりある精神の発信基地でありたいという思いをこめて、ホールを作りました。振り返ってみると、このホールとオケ活動の両方を通じてプロ奏者や音楽業界の方をはじめ、いろんな人たちと出会え、人生の幅が広がりました。」

心身ともにリラックスできる響きのいいホールで、後方の席は“リクライニング席”として使用し、解説付きで演奏を約1時間楽しめるリクライニングコンサートをはじめ、夏のギター・フェスタなど、ホール主催企画もすっかり定着。

「10周年は盛り上げたいです。昨春、震災で日本中が沈んでいたとき、ホールゆかりの音楽家が誰からともなく集まって、ロビーやホールでチャリティー演奏をしてくれたんです。『ああ、みな仲間だなあ』って、ジーンときました。アーティストがやりたいという企画をやってみたいなあ。そして、まだまだクラシックを食わず嫌いでいる人に、その楽しさやすばらしさを伝えていきたいです。」

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